Uber Eats などのフードデリバリー配達員はどんな物が経費として計上できるのか。
また、その時の仕分け(勘定科目)は何になるのかについて書こうと思います。
経費とは
経費とは、その売上を出すために必要になった出費のことです。
つまり、配達中や配達をするために必要だった物ということになります。
これを帳簿に記入していくのですが、その時に勘定科目(かんじょうかもく)というのが必要になります。
勘定科目は収支の種類が分かるラベルのようなものです。
「交通費」とか「通信費」みたいな感じです。
配達で使う物と、当てはまる勘定科目ごとに一覧にしました。
経費になる物とその勘定科目の一覧
費用 | 勘定科目 |
自転車 バイク 車両のレンタル代 ガゾリン代 整備代 | 車両費 |
配達エリアまでの電車代 ピックアップ時の駐輪場代 | 交通費 |
車両の修理代 | 修繕費 |
車両の保険代 (自賠責、任意保険など) | 保険料 |
バイクの自動車税 | 租税公課 |
ヘルメット スマホ スマホホルダー モバイルバッテリー バッグ バッグの中の緩衝 ウエストポーチ 防犯グッズ 手袋 レインウェア 靴 会計ソフトなど | 消耗品費 |
スマホの通信費 | 通信費 |
10万円以上の物 | 減価償却費 |
主な物はこんな感じでしょうか。
ここに記載がない物でも、配達をするのに必要だった物は経費と考えることができます。
会計ソフトも、事業の一環ということになります。
勘定科目は上記の通りでなくても、自分がこれだと思うものを使ったら大丈夫です。
例えば、ガソリン代は交通費にするか車両費にするか迷いますが、どちらでも良いと思います。
ただし、一度どの勘定科目に仕分けるか決めたら、次も同じ勘定科目を使うようにしましょう。
配達をするために購入した物の領収書やレシートは捨てないようにします。
経費として証明するのに必要です。
領収書などは、青色申告なら7年間、白色申告なら5年間保存しておかないといけないことになっています。
また、帳簿はどちらも7年間の保存が必要です。
詳しくはこちらに記載されています。
記帳や帳簿等保存・青色申告
クレジットカードで購入した場合は、利用明細を保存したり印刷しておきましょう。
経費にできない物
以下の物は経費にはできないとされています。
交通違反の反則金
怪我をした時の治療費
生命保険料
健康診断に払った費用
交通違反の罰金は、個人の都合による出費となるので経費にはなりません。
駐車違反や一時停止には気をつけましょう。
配達中に怪我して病院に行った場合でも治療費は難しいようです。
しかし、治療費は一定額以上になれば医療費控除として、所得から引くことができます。
生命保険料は、生命保険料控除として所得から引くことができます。
健康診断は、企業では経費として処理されます。
個人事業主の場合は、完全に自腹になるので辛いですね。
減価償却とは
使用するにつれて価値が減る物の費用を、使用可能期間に分割して計上する考えを、減価償却(げんかしょうきゃく)と言います。
10万円以上の物は固定資産としての扱いになります。
一度にその費用を経費に計上するのではなく、法定耐用年数という資産が利用に耐える年数があるので、その年数に分けて計上することになります。
ただし、青色申告者であれば、令和4年3月31日までに取得した10万円以上30万円未満の減価償却資産については、購入した年の経費に算入できるという特例があります。
家事按分とは
事業の分とプライベートの分を分けることを、家事按分(かじあんぶん)と言います。
事業でもプライベートでも使う物は、全額経費にするのではなく、事業に使った分だけ経費として計上します。
例えばスマホやその通信料などは、事業だけでなくプライベートでも使うと思います。
そこで、事業で使った分の割合だけ経費にします。
どのくらいの割合を経費にするかは自分で決めることになります。
割合は合理的な割合にしましょう。
もしも税務調査がおこなわれた時に、ちゃんと説明でき納得してもらえなければいけません。
割合の決め方は、時間や頻度で決めるのが良いと思います。
例えば、1ヶ月のうち15日ぐらい稼働しているなら50%ぐらいにするという感じです。
グレーな物
経費として認められるか認められないか、微妙なラインの物があります。
それらについてどう考えるべきか、私の考えは以下です。
服
服は経費として認められるか難しいものと言われています。
服は普段から着る物なので、プライベートでも着ているのではないかと考えることができるからです。
服は按分するか、配達でしか使えないような服だと認められやすいと言われています。
真夏の空調服や真冬の防寒着などは、プライベートでは着ない、配達のための服だと思うので、認められやすいのではないかと思います。
家賃
家で働く在宅ワークなら認められると思いますが、外で働く配達業務は難しいと言われています。
しかし、完全に認められないのかというとそんなことはないのではと思っています。
例えば、帳簿を付けるのを家でおこなっていれば、事業をするために家を使ったことになりますよね。
また、配達道具(車両やバッグ)を保管する場所としても、家は必要だと考えれると思います。(家以外に保管していたら別ですが。)
しかし、配達業務は家にいながら売上をあげるものではないため、按分の割合はかなり少なくするべきだと思います。
ちなみに、賃貸は経費として計上できますが、持ち家は家賃がないので建物自体を減価償却として考えるようです。
持ち家で住宅ローン控除を受けている場合は事業の使用割合が高くなってしまうと、控除を受けられなくなってしまう可能性があるので注意してください。
飲み物
この飲み物は経費になるのかという問題ですが、
基本的に飲み物はプライベートの支出だと考えられるようです。
理由は、働いていなくても飲み物は飲むからです。
しかしやっぱり真夏の配達は冬とは比べ物にならないほど、飲み物が必要になります。
配達をしていなくても飲み物は飲みますが、真夏の配達中はそれ以上に飲みますよね。
それは、配達をしていなかったら飲まなかった→配達をしていたから飲んだ→事業をするのに必要だったと考えれるのではないかと私は思います。
特に、スポーツドリンクや塩飴などは、夏場は配達をするのに必須だと思います。
スポーツドリンクや塩飴が大好きで、普段から大量に摂取している場合は、売上を出すためとは考えにくいと思います。
しかし、そうでなければ真夏に売り上げを上げるために必要だったと考えられるのではないかと思います。
この考え方は、税理士の大河内薫先生のYouTube動画を参考にしています。
水はいいと思うが食事代はダメだとおっしゃっています。
スマホで確定申告!Uber Eatsの確定申告はfreeeで終わらせよう!【Uber Eats × freee × 大河内:後編】
こちらの動画では、家賃や服についても言及されています。
とても分かりやすいので、見たことない方は見てみてください。
自分で飲んだ飲み物を経費とする場合は「消耗品費」、配達員仲間などにプレゼントした場合は「交際費」とするのが良いと思います。
どうするべきか
事業をするために必要だったと説明できる物なら、経費として計上できるだろうというのが私の考えです。
経費として認められるかは分からないけど、とりあえず経費として計上しておくというのはありだと思います。
ぶっちゃけ経費として認められるかというのは、税務調査が入らないと分からないことでもあるんですよね。
確定申告はただ申告するだけで、答え合わせはできないのです。
税務調査が入れば、その時に答え合わせをすることになります。
しかし、税務調査が入るかどうかは分かりません。
何年か経って入る人もいれば、一生入らない可能性もあります。
大事なのは、税務調査が入った時に、それぞれの物について経費として計上した理由をきちんと説明できるようにしておくことだと思います。
そして、もし事業で使ったことを説明しても経費として認められないと言われた時は、その時は追徴金を払えばいいのではないかと思います。
追徴金とは、本来納税するべき金額との差額のお金です。
足りないと判断された場合は、追加で税金を払わないといけません。
とはいえ、よほど悪質でなければ、そんなにめちゃくちゃ払うことにはならないのではないかと思います。
絶対に追徴なんて嫌だという方は、しっかりと説明ができないような物は経費にはしないようにすると安心だと思います。
まとめ
売上を出すために必要になった出費は経費として考えることができます。
事業でもプライベートでも使う物は、全額経費にするのではなく事業に使った分だけ経費として計上しましょう。
経費として認められるのかグレーな物も存在します。
このような物は、事業に必要だったとしっかりと説明をできるようにしておくこと、もしくは最初から経費には計上しないようにするのが良いのではないかと思います。
また、税理士や税務署の方に確認することをおすすめします。
経費が増えると所得が減り、税金を減らすことが可能です。
賢く合法的に節税しましょう。
確定申告のための帳簿作りは全部自分でやろうと思うと大変です。
そこで、入力するだけで確定申告に必要な書類を作成できる、会計ソフトを使うのがおすすめです。
私はfreeeを使っています。
収支の入力では、勘定科目を選ぶ時に、候補と説明が出てくるので分かりやすいです。
また、家計簿のように入力していき、最後は質問に答える(株の取引はありますか?など)と確定申告書類が自動で作成されます。
最初の30日間は無料で使えるので、使ったことがない方はぜひ試してみてください。
freeeならパソコンがなくても、スマホで使うことができます。
今回は経費について書きました。
いざ経費を会計ソフトに入力する時に、減価償却や家事按分などで、どのように入力したらいいのか分かりにくいなんてこともあるかもしれません。
支出の記帳の仕方は、Uber Eats(ウーバーイーツ) 確定申告 帳簿の付けかた【支出編】にまとめてあるので、こちらも合わせてお読みください。